重度障害者の意思探る&おきにいり川柳


●この日付の朝日新聞夕刊「重度障害者の意思探る 小さな動き映像分析→可視化」

カメラで重度障害者の方を写し、その映像をOAKというソフトで解析すると、人の目には見えない小さな変化を分析できる。それをコミュニケーションに活かそうという試み。

いぜん紹介した東田さんの著書『自閉症の僕が跳びはねる理由』や彼を取りあげた番組で、一見コミュニケーションがとれなさそうな自閉症の方の中に、私達がこれまでうかがい知れなかった豊かな世界が広がっていることが分かった。

そして今回はこういう機器により、家族でさえ意思疎通が極度に困難な重度重複障害児(重い知的障害と身体障害がある児童)の微細な動きもとらえられるようになった。そこから、彼らが意識を向けていること、興味のあること、苦手なことなどを推し量るよすがを見つけていくのだ。

こんな研究が進めば、もっとコミュニケーションがとれるようになってくると思うし、なにより、「変化がある」ということが分かったのが大きいと思う。なぜなら、それによって、彼らにはキチンと考えや意思があって、ただそれを伝える手段がなかっただけだということが分かってくるし、また、身近な方々も、「変化があるんだ」ということが分かったうえで見つめれば、これまで見えなかったことが見えてくるかもしれない。

そしてその裏には、「変化があるだろう」と信じてこの機器を使い、試みを進める人々のゆるぎない信念と使命があったはず。これはほんとうにすばらしいことだ。

「観察」はアレクサンダーテクニークの重要な手段であり、私が苦手にすることの1つでもあるけど、「観察」によってひらける可能性がある世界について、こうやって新聞で知れたことは、とても刺激になったと思う。




●この日付の朝日新聞朝刊「朝日川柳」より。

・撫でられてやるかの顔で猫欠伸(あくび)(三重県 菅山さん)

最近見てないが確かに近所のでぶねこは気が向いた時に撫でさせる。
気が向かないと撫でさせない。こっちに来たと思ったらすううっっと素通りしてしまう。
気が向いたらごろんとなって、わしゃわしゃ~と撫でたら、裏返って「こっちもやれ」という目で見る。